スポットコンサルティングのマッチングプラットフォームを提供する、株式会社ビザスクが2020年3月10日にマザーズに上場します。
株式会社ビザスクは2012年3月に東京都千代田区で「株式会社walkntalk」の名称で設立されました。
その後、千代田区→新宿区→目黒区と本店移転をしているため、2通の閉鎖謄本と1通の謄本、プラス一の部を取得しての分析になります。
創業から約8年でのIPOでした。
シードファイナンスですが、一の部からは読み取れなかったため、調達金額の半分を資本金にしている想定で以下記載しています。
エクイティでの調達金額は累計約3.3億円でした。優先株を利用した資金調達スキームの中でも、かなり少ない調達金額でIPOに到達した事例になると思います。
資金調達に関するプレスリリースを出していたのでリンクを貼っておきます。
50分割の株式分割を2回行っていますが、最初の分割は、ストックオプションを配布するために細かく刻んだものと思われます。
分割前の発行済み株式数は3,074株なので、このままだと0.03%刻みでのストックオプションになってしまいます。ストックオプションの付与は少なくとも0.01%単位で配布出来るよう、分割しておいた方が便利です。
2回目の株式分割は、上場前の株価・株数調整のためと思われます。
各シリーズの投資家情報は目論見書と上記のプレスリリースから引っ張ってきました。
シード | ? ※情報を拾えませんでした※ |
シリーズA | DACベンチャーユナイテッドファンド、CA Startups Internet Fund |
シリーズA-2 | DACベンチャーユナイテッドファンド、CA Startups Internet Fund、A-Fund、DBJキャピタル、みずほ成長支援投資事業有限責任組合 |
ストックオプションは全部で13回発行しており、IPO時点での潜在株の割合は15.1%(一の部16ページ)です。
以下の情報は発行時点の数字を入れています。一部失権しているものもあるため、目論見書の数字と相違している部分があります。
1回目の株式分割(50分割)のみ考慮した数字になっています。
回数 | 割当日 | 個数 | 株数 | 行使価額 | 発行時点の 割合 |
第1回 | 2014.1.31 | 286 | 14,300 | 200 | 13.08% |
第2回 | 2016.8.31 | 2,845 | 2,845 | 1,084 | 1.67% |
第3回 | 2017.8.31 | 4,565 | 4,565 | 6,890 | 2.60% |
第4回 | 2017.10.26 | 725 | 725 | 6,890 | 0.41% |
第5回 | 2018.2.26 | 1,035 | 1,035 | 6,890 | 0.58% |
第6回 | 2018.9.20 | 518 | 518 | 6,890 | 0.29% |
第7回 | 2018.9.28 | 2,215 | 2,215 | 6,890 | 1.23% |
第8回 | 2018.10.31 | 2,110 | 2,110 | 7,500 | 1.16% |
第9回 | 2018.10.31 | 50 | 50 | 7,500 | 0.03% |
第10回 | 2019.2.28 | 180 | 180 | 12,500 | 0.10% |
第11回 | 2019.5.31 | 550 | 550 | 12,500 | 0.30% |
第12回 | 2019.6.6 | 2,516 | 2,516 | 12,500 | 1.36% |
第13回 | 2020.1.6 | 15,400 | 15,400 | IPO時の株価 | 0.17% |
第4回新株予約権は全部消却済みです。
分析史上、優先株を利用しているスタートアップで、最も少ない資金調達でIPOまで辿り着いた事例でした。
株の放出も抑えられており、創業者である端羽氏の持株比率はIPO時点で51.56%です。
2015年7月にA-2種で調達し、そこから約5年弱の間、エクイティでの調達は無しだったので、バリュエーションも10.5億(2015年7月)から161億(2020年2月時点の予想)と大きく伸びました。
IPO時にも追っていきたいと思います。