POPER(ポパー)の資本政策



ご相談は無料です。お気軽にご連絡ください。
TEL 03-6222-9387
電話受付 平日 9:00~18:00
での対応も可能です。


ご相談
CONSULTATION




POPER(ポパー)の資本政策
ストックオプション 種類株式 時価総額
  令和4年10月13日 公開 







出典元:POPER(ポパー)株式会社



教育事業者等向けSaaS型業務管理プラットフォーム「Comiru」の開発・運用をしている株式会社POPERが2022年11月15日にグロース市場に上場します。

創業から約7年でのIPOです。

株式会社POPERは、東京都渋谷区で創業し、その後、埼玉県さいたま市→東京都中央区へ移転したので、3つの登記簿データを取得しての分析となりました。


Comiru開発

Comiru開発の経緯や、一人で始めた事業をどうやってスケールさせたか、どうやってVCより資金調達をしたかといったインタビューが以下のYOUTUBEにて見ることができます。








デジタルガレージが運営しているOpen Network Labに参加したことが大きな転機だったようです。

FASTGROWでも、Comiru開発のゼロ地点から2020年6月12日のシリーズD(上場2年前)までのインタビューを見ることができます。

FASTGROWでは、POPERが3度目の起業だったこと、どうやってComiruをブラッシュアップしPMFしていったか語っていますので必見です!




時価総額推移






全体的にバリュエーションの上がり方は順当だったと思います。

特にシリーズC(2019.12.13)の後、約半年後にシリーズD(2020.5.29)を行っていますが、バリュエーションがpost10億からpost28億に上がっています。

さらに、シリーズE(2021.11.30)の後、約3カ月でシリーズF(2022.2.28)を行っていますが、こちらもバリュエーションがpost33億からpost60億に上がっています。

短いシリーズ間に、バリュエーションを上げることができたのは、以下のとおりユーザー数が順調に増やすことが出来たからのようです。

また、インタビューにもありましたが、教育業界のアナログな部分にComiruが上手く刺ささり、広く導入する学習塾が増えていったのもバリュエーションアップの一因のようです。









シリーズごとのシェア

クリックで拡大します。











表が長くなったので、2つに分割しています。

エクイティでの調達金額は累計約10億円でした。




シリーズごとの投資家

各シリーズの投資家情報は目論見書から引っ張ってきました。


設立時 栗原氏 ※予想になります※
シード デジタルガレージ? ※予想になります※
シリーズAの1 大和スタートアップ支援投資事業有限責任組合
KVPシード・イノベーション1号投資事業有限責任組合
シリーズAの2 株式会社セゾン・ベンチャーズ
シリーズBの1 KVPシード・イノベーション1号投資事業有限責任組合(2回目の追加出資)
ニッセイ・キャピタル8号投資事業有限責任組合
フリービットインベストメント株式会社
シリーズBの2 大和ベンチャー1号投資事業有限責任組合(2回目の追加出資)
池田泉州キャピタルニュービジネスファンド5号投資事業有限責任組合
シリーズCの1 KVPシード・イノベーション1号投資事業有限責任組合(3回目の追加出資)
大和ベンチャー1号投資事業有限責任組合(3回目の追加出資)
ニッセイ・キャピタル9号投資事業有限責任組合(2回目の追加出資)
シリーズCの2 株式会社明光ネットワークジャパン
シリーズDの1 フリービットインベストメント株式会社
大和ベンチャー1号投資事業有限責任組合(4回目の追加出資)
ニッセイ・キャピタル10号投資事業有限責任組合(3回目の追加出資)
シリーズDの2 株式会社マイナビ
シリーズE 株式会社マイナビ(2回目の追加出資)
シリーズF 学校法人駿河台学園
株式会社こうゆう



既存投資家に追加投資を何度もしてもらっていることから、IPOまで終始、既存投資家との関係が良好で、事業の進捗が順調だったことが伺えます。

予想になりますが、インタビューで一人で事業を開始したとおっしゃっていたので、設立時株主は代表取締役CEOの栗原氏のみだと思います。

また、デジタルガレージ主催のOpen Network Labに参加していた経緯があり、Ⅰの部の株主の状況に株式会社DGベンチャーズが3.88%保有していると記載があるので、シードの投資家はデジタルガレージ(株式会社DGベンチャーズ)だったのではないでしょうか。



ストックオプションの発行タイミング

ストックオプションは3回発行しており(第1回と第3回新株予約権は公庫型ストックオプションなのでカウントしていません)、IPO時点での潜在株の割合は8.1%です。







回数 割当日 個数 株数 行使価額 発行時点の
割合
備考
第2回2019.3.2757,12057,1208488%有償新株予約権(1個あたり3.3円)
第4回2020.9.3037,30037,3001,3543.3%有償新株予約権(1個あたり28円)
第5回2021.11.3018,50018,5001,5002.5%有償新株予約権(1個あたり29円)


第2回、4回、5回新株予約権は全て有償SOでした。

第2回の行使条件にM&Aの際に行使可能な記載がなく、第4、5回にはありました。

もともとIPO一択であったが、M&Aも選択肢に出てきたので、2020年以降は行使条件に追加したのでしょうか。

FASTGROWのインタビューのセクション4の部分に、2020年6月時点の社員数は約30人という記載があり、Ⅰの部に2020年9月30日の第4回新株予約権の割当者は従業員28人と記載があるので、栗原氏は集まってくれたメンバー全員に報いたいという思いがあったのではないでしょうか。




まとめ

POPERは中央区茅場町に本社があり、弊社からも近いので勝手に親近感が湧いています。

資本金の額を3.6億円から1000万円まで減資したスタートアップの事例は、記憶の限り見たことない気がします。

減資で1億円ちょうどにする事例がほとんどの中、IPO直前期に1000万円までの減資もあり得るということは知れて良かったです。

noteにもPOPERの資本政策分析記事について投稿したのですが、「#POPER」のハッシュタグがnote全体で一番乗りでした。