ジモティーの資本政策



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ジモティーの資本政策
ストックオプション 種類株式 時価総額
  令和2年1月7日 公開 







出典元:ジモティー株式会社ホームページ



地元で情報を探す人と情報を発信したい人をマッチングさせるプラットフォーム「ジモティー」を運営する、株式会社ジモティーが2020.2.7にマザーズに上場します。

私も引っ越しの際に、家具を処分するのに利用させてもらったことがあります。

ジモティー株式会社は2011年2月に東京都渋谷区で設立されました。

その後、渋谷区→品川区と本店移転をしているため、1通の閉鎖謄本と1通の謄本、プラス一の部を取得しての分析になります。

創業から約8年でのIPOでした。


時価総額推移

エクイティでの資金調達額ですが、目論見書と謄本からではシードファイナンスの調達額が正確に分かりませんでした。そのため、2014年4月以降でいうと約22.8億円の調達、という風に記載させていただき、グラフも2014年4月以降の表示とさせていただきます。

TechCrunchのこちらの記事によると2012年6月時点でKDDI、三菱UFJキャピタル、インフィニティ・ベンチャーズから普通株で1.5億円調達しているという記事があったため、実際は約25億円ほどのエクイティでの調達であったと推定されます。







シリーズごとのシェア






2014年4月の普通株でのファイナンスは規模的にシードではありませんが、シードとしました。このファイナンスで20.47%を放出しています。

上場前に新株予約権の行使が2回もされています。無償発行のストックオプションの行使なので、キャッシュインなき課税が発生します。

ただ、株券発行会社であったため、金融商品取引業者等への株式の保管の委託(租税特別措置法第29条の2の1項6号)がなされている可能性もあり、税制適格ストックオプションとして課税が繰り延べられているのかもしれません。

いずれにしても、IPO前のストックオプション行使は珍しいです。




シリーズごとの投資家

各シリーズの投資家情報は目論見書から、シードの投資家情報はTechCrunchのこちらの記事から引っ張ってきました。


シード KDDI、三菱UFJキャピタル、インフィニティ・ベンチャーズ
シリーズA オプト、NTTインベストメント、EEIクリーンテック、西武しんきんキャピタル
シリーズB EEIスマートエナジー、ネクスト(LIFULL)、EEIクリーンテック、ジャパンベストレスキューシステム、プロトコーポレーション
シリーズC NTTドコモ




ストックオプションの発行タイミング

ストックオプションは全部で10回発行しており、IPO時点での潜在株の割合は8.28%です。






以下の情報は2019.12.27時点の最新の謄本から各ストックオプション発行時点の数字を取ってきています。一部失権しているものもあるため、目論見書の数字と相違している部分があります。


回数 割当日 個数 株数 行使価額 発行時点の
割合
第1回2011.10.11105,000105,0001006.54%
第2回2012.3.1615,00015,0001000.93%
第3回2012.3.2376,00076,0001004.48%
第4回2013.7.830,00030,0003001.35%
第5回2014.3.25109,000109,0003704.41%
第6回2014.12.2654,00054,0003701.69%
第7回2014.12.26101,000101,0003703.06%
第8回2015.10.2370,00070,0003701.58%
第9回2016.3.1721,00021,0005700.47%
第10回2017.9.1510,000510,0004808.08%


第1回新株予約権は全部放棄済み、第2回新株予約権は全部行使済み、また一部失権もしています。第10回のみ有償ストックオプションです。


まとめ

優先株を利用しているスタートアップの中でも、IPO時の時価総額は50億円台というのが印象的でした。

IPO時点での創業者である加藤氏の持株数は潜在株込みで8.71%で、かなり低めですが、今後の株価形成にどのような影響が出るか、今後も見ていきたいと思います。